今日のわたし
ほめてくれる人がいれば、おしゃれ上手になるよ





 「昔は気張っておしゃれしてたよねぇ」「そうよ頑張ってた」「つけまつげも上と下にしてねぇ」「まゆげもぬいて細くしてたじゃない」「そのせいでまゆげなくなっちゃった」「今の若い子おしゃれが似合ってるけど、私達だって若い時はおしゃれが似合ってたよねぇ」「でも今は着て似合うものが少なくなったと思わない?」「そうなの」「なんでかなぁ」「年とるとおしゃれがむつかしくなるね」「それで私達は着物を着る」「そう着物。着ると楽しいねぇ」「うん、着物は着なれた方が恰好いいから、年をとってる人の方が感じよいもの」「ほーんと。この前銀座でちりめんの着物をさりげなく大人っぽく着てた人見たけど、すてきだったぁ」「着物があってよかったねぇ」といつものようにおしゃれの悩みは着物で落着。
 そんな折、久しぶりにSさんからファクス便が入りました。「着物着て歌舞伎観に行ったら、いいねぇ似合ってるねぇって知らない人にほめてもらったよ」って。50歳すぎたら洋装(古い言い方だけど)でほめられることはほとんどありません。でも洋装しかしない(あたりまえ)ニューヨークやパリの中高年に恰好いい人がいるのです。若い人よりおしゃれ上手な人がいるのです。洋装ではおしゃれに見せるのがむつかしいとあきらめることはないんじゃないか。欧米人だって若い方が顔も体もきれいなはずです。それでも恰好いい。
 日本人て若いをよしとしているから、若い人をほめます。ほめると元気になるし自身も持つ。するともっとよく見えるのです。日本人は若くない人をほとんどほめないじゃあありませんか。年とってみにくくなったみたいなことばっかり言うから、自信がなくなりおしゃれ下手になるのです。中高年が恰好悪いのはまわりのせいなのです!

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