2016〜17年秋冬の新作。第3話ではトップスとボトムスをご紹介します。
　シャツやTシャツ、パンツ類は毎日の服の要。お客さまの関心もとても高いアイテムですが、今シーズンはじんわりといいものが揃っているように思います。それを特に感じるのがパンツです。“じんわりいい”というのは、一見色はベーシックな黒だし、大きく変わったところがあるように見えないからです。でも、はいてみるとかたちや生地がちょっとずつこれまでとは違っていて、そのちょっとがうれしい感じ。「そうそうこれが欲しかった」という感じなのです。

　例えば今回新しく登場した「ワイドバルーンパンツ1」。腰から太ももにかけて丸みがあり、他のパンツに比べ丈が短めな点はこれまでのバルーンパンツと共通ですが、全体に幅が広く、裾がそんなにすぼまっていません。写真を見ていただければわかるように、それだけでずいぶん印象が違うのです。
　これならバルーンパンツが好きで既にお持ちの方にも、バルーンをはいてみたかったけれど裾の感じが自分には似合わないという方にも、もう少し余裕が欲しかった方にもお試しいただけるのではないかと思います。この特集担当は「ワイドバルーンパンツ1」のワイドな裾がぷつんと切れる感じが布のボリュームの割に軽やかだったり、動きによってはスカートのように見えるところが好きですが、いかがでしょうか。
　おなじみの定番のバルーンパンツ（「ウールバルーンパンツ11」）にも特典があります。とても人気のあるパンツなので、サイズを選んでいただけるよう、XS、S、Mのスリーサイズで展開。色も黒とグレーでおつくりしています。どちらのバルーンパンツもほどよい厚さのフラノ。少しストレッチがきく生地です。

　サルエルパンツ、幅広パンツ、パギンスは生地を変えることで同じ黒でもこれまでと違う雰囲気で仕上がっています。
　「サルエルパンツ7」はカシミヤ入りのちょっと光沢のある生地、「パギンス」はこれまではカットソー素材でしたが今回初めて布帛でおつくりしています。
　「幅広パンツ」は昨年と同じ生地ですが洗い加工を施さず、生地の重みでシルエットが素直にすとんと出るようにしています。いずれも仕上がりのニュアンスはこれまでよりシンプル。それぞれの方の個性でいろいろな着こなしができるようになっていると思います。また、どのパンツもウェストはゴムです。

　トップスはボーダーTシャツ、ウールのシャツ、厚手タートル、そしてニットのプルオーバーとカーディガンを新しくつくりました。種類は多くないのですが、厳選したラインナップ。これまでのa.の服づくりのセンスや経験を生かし、「ふつうでちょっとおしゃれで着心地がよく、着ると気分がいい」アイテムが揃っています。
　今回第3話でご紹介するのはボーダー、シャツ、タートルの3タイプです。いずれもベーシックなシルエット。身幅や着丈は重ね着でも、一枚で外に出してきてもバランスよく着こなせそう。どれを選ぶべきかすごく迷うところです。
　「ウールボーダーTシャツ」は肌ざわりの良さとコーディネートのしやすさが魅力です。オフホワイトと赤がぱっと目を引く「ウールシャツ」は今シーズンいちの華やかアイテムとして気になります。
　そして「厚手タートルカットソー」は冬になると大橋が毎日のように着ている「タートルカットソー13」と同じシルエット。絶対活躍すると思うのです。さらにベージュとグレーが混じった「杢ベージュ」にすべきか深い「紺」か…。じっくり試着して決めようと思います！