特集 廣田理子さんのガラスのアクセサリー2014
 
 
  • 水滴のような透明感のあるガラスの指輪です。水滴の大きさやかたちはいろいろ。シルバーやリリヤン編みのリングはサイズの調整ができます。¥5,400~¥7,000(税別。以下同)
  • ややぺたんこの水滴が前に飛び出るようについています。¥6,000
  • これは台形をしていて、指につけたときになじみます。¥5,800
  • ガラスだけでできた、フロストがかった氷のイメージの指輪です。¥7,000
つぼみや葉っぱのネックレス
 ネックレスにも植物の葉や花のつぼみ、水からインスピレーションを得てつくったガラスのビーズが使われています。
 「家で育てている朝顔やゴーヤーのつぼみといった具体的なモチーフもありますが、開いていくときのつぼみの水分を帯びた感じや力強さを伝えられればと気持ちのおもむくままにつくりました」。そんな廣田さんの願いと、溶けて自由に波打ち、ある瞬間を止めることができるガラスという素材は、きっととても近いところにあるのだと思います。
 ご自身がずっとかたちにしたかったというユーカリの葉のネックレスやピアスも届きました。半分透明で半分フロスト(つや消し)の葉っぱは薄く、ふわりと自由に羽ばたいていきそうです。
リリヤンや刺繍糸を使って
 廣田さんのアクセサリーはガラスをつなぐ紐やそのつなぎ方にも特徴があります。今回活躍しているのは懐かしいリリヤン編みです。ご存知の方も多いと思いますが、リリヤン編みは中が空洞で長さは自由自在。廣田さんはビーズの一種として使っています。ころっとさせたり、ながーくしたり。中にワイヤーを通してネックレスに使ったり、ゴムを入れて指輪にしたり。糸のつやや発色もとてもきりっとしていて、ガラスにぴったりです。
 「市販の道具で編むリリヤンでは太いので、爪楊枝などを使って道具を自作しました。でも、いい感じにできて嬉しい発見でしたね」。
 身近にある自然を観察したり、幼い頃に親しんだ手芸からヒントを得たり。どこか日本の夏休みのイメージが重なる廣田さんのガラスのアクセサリーですが、すっと大人が身につけるものに昇華されています。
 長年ご実家の庭に工房を構え、そこに通って制作していましたが、今年から家族と住む家に工房を移しました。窓から見える景色に今までのような大きな木はないけれど、曾祖父の使っていた大きな机を譲り受けて入れたら、工房の空気がぐっと変わったそう。差し込む日光が限られるようになった分、以前より意識して光をとらえるようになったとも言います。新しい場所で生み出される廣田さんのガラスの作品、これからが楽しみです!
取材:田中真理子
 
 
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