特集「a.後染め＋夏のおしゃれ」展

「a.後染め＋夏のおしゃれ展」に並ぶストールです。生地を縫製した後に赤や青に染めたり、洗いをかけたりしてつくりました。どれもほぼ正方形。生地幅を最大限に使い、ミミはそのまま活かしています。サイズは大きいもので約120×120㎝、小さいもので約108×110㎝。カーディガン代わりに、おしゃれのアクセントにお使いいただけます。製品染め、製品洗いをほどこしているので、ひとつずつサイズやしわ感が異なります。いずれも限定枚数です。

大判のストールが勢揃い

　赤、紺、黄、太いボーダーに細いボーダー、ギンガムチェック、花柄…。最初にご紹介したいのは大判のストールです。一度にこんなに揃うのはa.スタート以来初めてのこと。スタッフにとっても新鮮で、楽しい展示になりそうな予感がしています。
　これらのストール、まずは大橋が生地を選んで縫製、それを後染めしたり洗い加工してもらってつくったもの。生地選びもわくわくしましたが、加工するとどうなるのか、どきどきしながら完成を待ちました。

製品染めをしたストールと、もとの生地です。こんなに雰囲気が変わります。
（左上から下へ）赤染め細いボーダー・麻￥10,000、赤染め花柄・綿￥6,500、赤染めギンガムチェック・綿￥5,500、赤染め太いボーダー・麻￥10,000（右上から下へ）紺染め麻￥10,000、紺染めギンガムチェック・綿￥5,500

大橋は実験好き

　大橋は自分の服をウールでもなんでも洗濯機でがらがら、よく洗います。くたっとしたり、しわになったり。そんな洗った後のこなれた感じが好きだし、体が小さいので、洗って縮まったほうがぴったりする、という個人的な理由もあるのです（時々縮みすぎたりまったく縮まなかったりという失敗もあるようで、それを『実験』と呼んでいますが）。
　でも洗うだけでなく、大橋は服を染めていることも今回発覚しました。ワンピース、ニット帽、カットソーのTシャツ…。買った服の色がどうもなじまなかったり、飽きたり、白いものがちょっと黄ばんできたりしたとき、クリーニング店に頼んで染めてもらっていたというのです。
「着物は染め直して長く着るというのが当たり前のことなので、それがルーツかもしれませんね」と言います。

染めると素材感も変わる

　染め加工は、まず生地についている糊を洗い落として一旦乾かした後、専用の釜に入れてぐるぐる回しながら時間をかけて煮るようにして染め、その後染料を落としたり定着させたり乾燥させる行程を経ます。
「生地をいじめるんですが（笑）、染めることで色だけでなく素材感も変わりますし、同じ色に染めても生地によって染まり方が違います。市販の生地でもオリジナリティーがでるのがおもしろいですね」と大橋。
　今回染めに選んだ色は赤と紺の2色。なるほど、確かに仕上がってきたストールを見ると最初の生地とは違う、新しいものになっています！　ストールはどれも生地のミミをそのまま活かしてつくっていますが、その風合いがまたニュアンスを添えています！

ノースリーブの紺のプリーツワンピースに、赤染めした麻の太いボーダーのストールをカーディガンがわりにはおってみました。対角線に折って肩にかけると、ちょうどいいボリュームです。
染め加工をすることで、色あいだけでなく生地にもふんわり風合いが出、軽やかになりました。

赤染めにした綿の花柄のストールです。バイアス使いにしてストールに長さを出すと、首に2回巻いて端を結ぶことができます。Tシャツ切り替えワンピースにあわせて。
赤のグラデーションの花柄の生地はあまりないように思います。ミミにあるプリントカラーの表示もこんな風に。

大人っぽくしあがった赤のストール

　染め加工したストールのうちいくつかをここでご紹介します。
　まずは赤く染めた2枚。麻の白と青の太いボーダーはシックな赤の濃淡のボーダーに変身しました。落ち着いた色あいで紺や黒、そして白にしっくりとなじみます。生地感も空気を含んでいる感じ。ふんわりしてやさしくからだを覆ってくれそうです。
　もう１枚はブルー系の花柄プリントを染めたストールです。どうでしょう。最初のプリントには色が10色使ってあったのですが、それが赤のグラデーションになって仕上がってきました。やさしい印象の花柄がきりりとイメージチェンジ。素材の綿も柔らかくなり肌になじみます。

紺染めしたギンガムチェックのストールです。生地目にそってざくっと畳み、ボリューム感を出して首元に巻いてみました。カジュアルな襟なしの切り替えワンピースの雰囲気が大人っぽく見えます。
ギンガムチェックは綿100％ですが、ストール向きの柔らかい手触りになりました。ミミの短いひらひらもかわいい。a.の赤いタグも染まりました。

紺染めにしたボーダーの麻のストールはほとんど紺一色に染まりました。生地はふんわり。バイアスに折って一重に巻くと長さが楽しめます。白の丸襟シャツやヒッコリーパンツとシンプルにコーディネート。
a.の定番の紺の麻のストール（左）と、今回紺色に後染めしたストールです。比べてみると今回の紺のほうが少し深い色あいでタグも紺色。生地はやや薄めです。

風合いが気持ちいい紺のストール

　深みのある紺色の濃淡に染め上がったギンガムチェックは、もとは茶と白でした。そのままでもかわいい生地でしたが赤と同様、ぐんと大人っぽく成長して染屋さんから戻ってきました。チェック好きの特集担当はすでに今シーズン発売の白と青のギンガムを愛用していますが、それとは全然雰囲気が違います。来週お届けする第２話に登場予定の黄色のギンガムチェックにもひかれるし、どちらにしようか迷い中です。

白×青のストライプの定番ワンピースを紺色に後染めしてみたら、きりっと新鮮なワンピースになりました。￥24,900。サイズはS、M。いずれも染める前より丈も身幅も少しだけ小さくなっています。
きれいな紺の濃淡のストライプになりました。ミシン糸は染まらず白のまま。

紺色に後染めしたシャツワンピースです。￥23,500。白いメンズのA.のチノパンツとあわせて涼しげに。サイズはS、M。こちらも染める前より丈、身幅とも少しサイズダウンしています。
ボタンの留め方で開襟にしたり、ブラウス風にしたり雰囲気を変えて着こなせます。

白のスモックワンピースは紺と赤の2タイプに後染めしてみました。赤は朱色に近いきれいな赤になりました。赤はS、紺はM。各￥24,200。
こちらもミシン糸は染まらず白のままです。ポケットの口や、裾の切り返しのステッチもいい感じ。

ワンピースも染めてみました

　ストールといっしょに定番のワンピースも後染めしてみたのですが、こちらもいい感じになりました。白と青のストライプのワンピースもスモーキーブルーのシャツワンピースもぐんとしまってぴりっとしています。赤と紺に変身した白いスモックワンピースは生地に風合いも備わって、新品らしからぬ味があります。どれも縫い糸は染まらず残ったのがアクセントに。いずれも数量限定の発売となります。
　なるほど“染め”は楽しい！　ぜひショップ＆ギャラリーで実際にごらんいただければと思います。
　引き続き第2話では“洗い加工”のストールをご紹介します。

＊掲載商品の価格は、全て税抜きの本体価格です。