初めて海外旅行に出たのが'66年でした。なんと1ドルが360円ぐらいの時代で、当然限られた人しか海外旅行に出られませんが私は仕事を兼ねてのことでした。
ニューヨークに約4か月滞在しましたが、この間にたくさんのカルチャーショックを受けました。中でも女の人の歩き方には大いに刺激を受けました。当時の日本人の歩き方は、背をまるめて膝を曲げてしょぼしょぼという感じ(もちろん私もそうだったし、誰もがそれでいいと思ってたと思う)。ところがニューヨークの女の人は胸を張って大股でさっさ、さっさと歩いていたのです。スゴーク急いでいるという感じに見えましたが、急いでいるわけではないのです。その歩き方は生き生き見えるし、さっそうとしていてとっても恰好よいのでした。影響を受けやすい私は4か月の間に体得いたしましたね。
あれから30年も年月がたちました。今は海外旅行に行く人がすごく多い。1ドルは100円とちょっとですしねぇ、ニューヨークまでの往復航空チケットで安いのは10万円ぐらいであるみたいだし。気軽に手軽に海外旅行ができる時代になったせいか、日本人の姿勢もよくなってきました。
ところが歩き方は今ひとつと思うのです。それが顕著にあらわれているのはミニスカートの下からのぞいている膝。ハイヒールなんかはいている人のほとんどは膝を曲げてよたよたよたです。ミニスカートをはくのなら、膝を伸ばして歩かなければ変。近頃海外高級ブランドものが流行りで、そういうのを着ることがおしゃれになっています。でもね、そういうの着れば恰好よく見えるわけではありません。どうだ恰好よいだろうというぐらいの気持ちで胸張って膝伸ばして歩いてこそ、よい服も恰好よく見えるのです。