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柳生さんの生活をのぞかせてもらいたいと思った時、それは久々の強い気持で、若い若い時分の、物が欲しくてたまらなかった強い気持より、見たい映画をやっている映画館の前に立った時の気持より、強いものでした。だって望んでも自分ではどうにもならないことですから、強さが違ったのでした。
柳生さんと12回の手紙交換という仕事を、「クロワッサン」でさせてもらえることになった時、キラメクよいことが私に起こったと思いました。この人に会いたい、この人と知り合いになりたい、と強く思えば、きっとそうなると、日頃思っていた私でしたが、まさかこうはっきり、それも三ヶ月ぐらいの間に実現するなんて、まるで神さまからのプレゼントみたいと思いました。
(本文より抜粋のため、以下省略)