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わたしの季節

写真:わたしの季節

幻冬舎
1998年5月発売


 疲れをとるにはお風呂に入るのが一番、といつからだか思ってきた。実際風呂につかると体がほぐれて疲れがとれる。
 私が子供の頃は、祖父の家は五右衛門風呂だった。井戸の水をくんで風呂釜(まさに釜だった)を一杯にし、焚き口からまきをくべて沸かす。子供達も手伝わねばならないから、従姉達と水をくんだリ火の番をしたりした。
 五右衛門風呂は鉄釜だから、入る時に木の底板をしずめる。うまくいかないと、鉄釜の底にじかに放り出される。もちろん熱い。大さわぎになる。木の底板はしずめてもまわりはむき出しの鉄だから、入ったら静かに座り込む。子供どうしで入ってさわいだりしたら、必ずギャ!!というめにあう。でも子供はそのスリルが楽しくてさわぐ。でも誰かが泣くか、大人に叱られるかしないとおさまらなかった。

(本文より抜粋のため、以下省略)


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