北インドの手仕事を中心に
夏に開催させていただいた「ツォモリリ展」では、インド特産のカディコットンのストールやシャツ、綿糸をくるくる巻いた「糸玉」のネックレス、珍しいかごバッグが大好評でした。肌触りも風通しもばつぐんの、手紡ぎ手織りのカディコットンをはじめ、どのアイテムもとにかく涼しげ。さすが猛暑の国! と思ったのです。
でも、今回は一転。パシュミナ山羊のストールやアンゴラのニットなど、ふわっと体を包むあたたかなアイテムがずらり。聞けばヒマラヤの山岳地帯、北インドの手仕事の数々だそう。改めてインドの国土の広大さを想い浮べました。
ブランド名は湖の名前
その北インド、ラダック地方の標高4000mにある青い湖の名前をブランド名にし、インドの手仕事を日本に紹介しているのが「ツォモリリ」です。
運営するおおくにあきこさんたちは、2010年からインドの小さな村の学校の壁に絵を描く
「ウォールアートフェスティバル」を開催。各地の生活に触れるなかで実際に目にし、手で触れ、工房を訪ねて、自分たちが本当にいいと思った手仕事品を扱いたいと思うようになったと言います。
パシュミナ山羊のストール
例えばパシュミナ山羊のストールは、ラダックの学校でアートフェスティバルをした際の、遊牧民との出会いから始まりました。ツォモリリ湖からほど近い、地平線まで見渡せる広大な大地にテントを張って暮らす人たちです。
「同行していたガイドさんがラダックの言葉で挨拶をするとテントに迎え入れてくれて。夕方になると、お父さんが大勢の小ぶりの山羊たちと帰ってきました。放牧して育てているんですね。それがパシュミナ山羊だったんです」とおおくにさん。東京で見て憧れていた上質のストールと、北インドの峻険な山岳地帯を移動する時に目にしていた山羊の群れが結びつきました。
ストールは、そのパシュミナ山羊の長い毛の内側の、ほんとうに細くて柔らかな毛を櫛で梳いてつくるのだそう。おおくにさんたちが扱うのは、それを手紡ぎで糸にして、手織りしている現地の小さな工房製です。
「短い毛なので手紡ぎがすごく難しく、機械化も進んでいます。でも工房で働く女性たちは、手紡ぎの技術を誇りに思っている。自分たちが育てたパシュミナだから自分たちで製品にしよう、という心意気があるんです」。
アンゴラのニット
アンゴラのニットは、もう少し標高の低いヒマチャール地方で育てられたアンゴラウサギの毛で編まれています。ヒマチャールは編み物や織物で知られる地域。おおくにさんたちはそこに何度か足を運び、親しくなった女性が束ねる工房に、オリジナルニットをオーダーしています。その女性のニックネームは「アンゴラマダム」。自身も編み物上手でとてもきっぷよし。今回その工房のセーターも並びます。
あたたかくて白い
パシュミナのストールやアンゴラのニットに共通しているのは、とにかく保温力があること、そして染めたり漂白したりしていない自然のままの白い色の美しさです。あたたかくて白いものが一枚あると、寒さで体が縮こまってしまう冬も楽しく乗り越えられると思います。帽子やミトンなどの小物、白いニットに似合うパールのネックレスなども揃っています。フェルトの動物たちもいますよ。ぜひ会いに来てください。
※展示品は一点物も多くございます。ご了承ください。
※価格はすべて税抜きで表記しています。
※また、会期中の11/24(木曜)、11/25(金曜)、11/26(土曜)、11/27(日曜)はおおくにさんが在廊予定です。おおくにさんが訪ねた工房やアートフェスティバルの話などもお尋ねください。お待ちしております。