新 暮らしの絵日記

◯月□日 同じような犬を見ると…キュン

 ダルマーは年を越して今まだなんとか持ちこたえている。自力では起き上がれないけど、起こすと30歩ぐらいは歩ける。ご飯は立ち上がらせて立たせて食べさせている。あんまり上手に食べられないので時間がかかり、途中で横になってしまうけど、食べたい一心でまた立ち上がりたいと催促し、立ち上がり、残りを完食。みなさんに、食欲があるうちは大丈夫よといわれている。まだ食欲は衰えないので大丈夫、大丈夫。
 昨日の夜、会社から帰る途中、家の50メートル手前の道を曲がろうとしたら、ダルマーにそっくりな黒ラブが体に補助ホルダーをつけられ、引っ張り上げられながら道の端に移動してくれたのが目に入った。あっと思ってそこで車を止めて窓を開けて、声をかけようと飼い主さんと目を合わせたら、ちょっと迷惑そうだったからやめた。それにしてもこのあたりの犬はたいがい見知っているけど、その黒ラブはお初にお目もじだった。お引っ越ししてきた犬なのかな?
 家に帰ったら富浦にいる夫から電話があり、電話の向こうで元気そうなダルマーの鳴き声がしていた。多分、夜にあげているヨーグルトの催促だと思う。ほんとに食欲だけは衰えない。今朝の新聞に東日本大震災の被災犬を保護している団体が里親を探している記事が出ていた。70歳を超えた我々にはもう受け入れてあげる体力はない。

◯月△日 重なる故障

 まず、冷蔵庫が冷えていないことに気づいたのは、朝パンに付けるバターが固くなっていないので「???」。冷凍庫の方はちゃんと働いているので、あんまりせっぱつまった気持ちにはなっていなかった。なにしろここのところ仕事が忙しくて奈良や京都やら神戸に行ったり来たりしていたし。それもあって冷蔵庫には腐って困るような生ものは入っていなかったのと、2月だから気温が低いのであせらなくてよかった。でも放っておくことは出来ず、サービスに電話して修理をたのんだ。
 ところで私の足になっている車に警告ランプがついて、取扱書をめくってみたら、すぐ修理に出すこととあった。ちょうど京都と神戸に行く前日だったので、家に車を止めたまま仕事に出た。翌朝ディーラーのサービスに電話をして、乗って持って行って修理してもらうことになり、車のエンジンをかけたら、なんと警告ランプは消えていた。でも心配なので見てもらいに行った。チェックしてもらったら、確かに警告ランプはついた形跡があるので、点検はしておいたほうがいいというアドバイスを受けた。冷蔵庫の修理は2日後の朝に予約してあったので、その日に合わせて車も点検してもらうべくお願いをした。
 それが本日。さっき冷蔵庫のチェックは終了。というか修理しなくても勝手に作動したそうだ。何? どうして? 冷やすパネルはまったく冷たくならなかったのに、修理の人が冷蔵庫のドアを開けたら作動し始めたなんて! 大げさな修理はしないですませたい私は、また悪くなったらお願いしますといったのだけど、ちゃんと修理しておいた方がいいといわれた。でもね、動き始めたんだから車じゃなくて命に関わるようなことではないんだから、今日は午後の約束が控えているのでまたにしてもらいます、といって帰ってもらった。私、家に修理などの人に長い時間いられるのが好きじゃない。家の電気とかボイラーとか流しやお風呂やお手洗いの修理を、家を建てた後でお願いしているいつもの業者さんは顔見知りなのでいいのだけど、初めての人はいられるのがいやなの。
 冷蔵庫に食品を戻していたら、車の点検が終了したと電話があった。片付けたら歩いて車を引き取りに行って、そのまま会社にいく。それにしても車と冷蔵庫のストライキのようなトラブル、重なるんだなあ。私はこんな重なりが多い方。でもまあ今回はたいしたことではなくて幸い。けど、ちょっと不思議な気持ち。

「住む。」No.41 (2012年5月 株式会社泰文館発行)
P13《新 暮らしの絵日記 第17回 大橋歩》より抜粋

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