今日のわたし
モノはいらない、気持ちが欲しい

 会計士に会社の通帳を見てもらわねばならないことが生じて、記帳すべく銀行に走りました。4台もあるオンラインの機械の前には人の列ができていました。うわー困った……。見れば、カウンターの待人はたった一人だけの表示です。そこで記帳を頼んでみようと思いました。
 順番のカードをとって待ちました。順番が来て、訳をいって頼むと、「カウンターでは取り扱えないので、機械でやってください」と言われたので「機械の前はあの行列といっているでしょ、だから、急ぎだからお願いします」ともう一度お願いをしました。「いや、こちらではやりません。あちらに並んでやってください」。
 カウンターの機械に通帳を入れるだけで、ものの1分もかからないで記帳できると思うんだけど、やってくれなかったのです。「これっくらいのサービス、してくれてもいいんじゃないですか?」と思わずいってしまいました。そしたら、ティッシュペーパーをくれるんです。「え?」とその人の顔を見直してしまいました。「私、いりません」と返しました。ものすご〜く腹が立って、さっさときびすを返しました。ティッシュペーパーをくれることが、銀行ではサービスなのです。親切はモノをくれる事なのです。世も末だねえ。
 その銀行の近くに郵便局があります。東京は渋谷区の、それも今、格好いい街とされている、地方からだってわざわざ見学にくる人もいる代官山の郵便局ですが、普通の郵便局なのです。オンラインシステムの機械は入り口に1台あり、カウンターの中には緑色の制服を着た地味めの局員が、いちいち客の用事を聞いて処理しています。私も郵便為替の受け取りや支払いをすることもありますから、郵便物以外にも利用しています。
 で、たまたま、振込と夫の通帳に預け入れがあり、窓口でこれもできますかと通帳を出してみました。「いいですよ」と普通という感じでやってくれました。機械でやってくださいなんていわれませんでしたよ。
 ある時、振り込みをいくつかして、事務所に戻ってきました。その日は銀行でも支払いをしていたので、忘れるといけないからすぐに整理をしました。ところが郵便局の控えが1枚足りません。何度も探しましたが、1枚足りません。落としてきたのかもしれないと思いました。郵便局に電話してみました。そしたら「大橋事務所さんですね、つい先ほど落ちていたのを拾ってくださった人がいて、もうそちらに送りましたから」ですって! 「えーっ、早速にすみません。ありがとうございました」とお礼をいって電話を切りましたが、考えてみれば郵便局だから送り返すなんてなんでもないことかもしれません。でも、封筒に入れて宛名を書くのはそう、なんでもないことではないと思うのです。月末でしたから、郵便局もいっぱいの人でしたもの。で、こういうのもサービスなのかな? と思ってみたのでしたが、これは窓口でいちいち客と応対しているから自然に身についている親切なんじゃないかと思ったのでした。
 親切って受けてみるといい気持ち。例えばこの日はなんとなくほのぼのしていました。親切っていいなと思います。
 ところで近ごろ、モノを簡単にくれすぎません? この前はある会に入ったら、会報を綴じ込むたいそうなホルダーが届きました。某マイラインに入ったら、タオルを置いていきました。いるかいらないか聞いてからにして欲しいと思います。あれはサービスとはいいませんのよ。販売促進というのだと思いますよ。

ページトップ
第13話
第15話(1月23日更新予定)