デパートの中をウロウロしてましたら、エスニックな雑貨や食器や服が並んでいるコーナーで、アオザイ風の黒の上衣とパンツが目に入りました。欲しいと思いました。でもそれ風を数着持っていますので、考えてどうしても欲しい気持ちになったら試着してみようと思い、いったんその場を離れました。
ひとまわりしてもどってみると、中年女性数人のまん中で、その服を試着している人がいました。似合いそうな雰囲気の人でしたから、その人が買いそうな感じでした。離れたところから様子を見ていましたら、その人には似合わなかったのです。シンプルなチャイナカラーの胸のあたりがさみしげでした。その人もそう思ったのでしょうか、買わないで、連れの人達と他の売り場に行ってしまいました。
昔、主婦向けの服をつくっている友人のアトリエで、ライトストーンやスパンコールの飾りのついた上着と、つける前のを見ました。専業主婦の人は飾りがついていないと似合わないんだそうです。だからその人の服には飾りがつくことになっていた。仕事をしている人は逆に飾りのないほうが合うらしい。試着させてもらったら、私は飾りのあるほうはぜんぜんやっぱり似合いませんでした。それでつける前のを買いましたが、その時のことを思い出しました。何故そうなのかは今もはっきりしません。
最近はスパンコールつきやフロッキー模様のやレースをあしらった服がファッショナブルのようです。飾りのついたのを着てすっきり似合うより、飾りの服を着ると飾りが余計で、すっきり見えないところが、最近のおしゃれなんだと思います。もちろんその違和感が魅力的に見えなければいけませんが。おしゃれはけっこう複雑です。