大橋のつくる服には、いつも変わらないところと変化するところ、ふたつの面があります。
　いつも変わらず大事にしているのは、大人の女性が安心して着られるシルエットやサイズ感です。それを根っこに持ちながら、おしゃれに大事なわくわくを感じていただけるよう、毎シーズンちょっとした変化、冒険を続けているのです。
　例えば一昨年の大胆な水玉のプリント、そして昨年黒のフォーマルに感じた新鮮な気分は、今シーズンも健在。これまでにない布合わせや色づかいのワンピースやシャツに、冬の寒さはまだ底だというのに、うきうきしてしまいました。また、大人気のボトムには麻素材が登場。こちらもこれからの季節、デイリーに活躍してくれるはずです。
　今回の特集は、2017年の新作を5回にわたり、ご紹介いたします。第１話でご覧いただくのはその全貌。今週末から始まる展示会での服選びの参考にしていただけたらと思います。

　最初にご紹介するのは、麻とストライプの生地を使ったシリーズです。
　ほどよくざくっとした風合いと張り感のある麻。きめ細やかな肌触りの紳士物のストライプのシャツ生地。それぞれにさわやかなふたつの生地を合わせて使い、前後の印象が違うようにデザインしたのが「シャツワンピース1」と「フレアーブラウス」です。
　「シャツワンピース1」は前から見ると上半身が麻でスカート部分がストライプですが、後姿はストライプがメイン。「フレアーブラウス」も後ろ身頃はストライプに。
　「麻もシャツ生地もむかしからあって両方とも好きな素材。合体させるのもいいかな、楽しんでもらえたらいいな、と思ってつくりました」と大橋。
　どちらの服も動きにつれて見えかたが変わりますし、シャツ生地のなめらかさから生まれるきれいなひだやフレアーも魅力です。

　麻とストライプシリーズの他の２着にも、デザインの工夫があります。「７分丈ワンピース」は、「まる」と「スリット」ふたつの襟ぐりで着ることができます。
　「麻の丸襟コート」は前から見るとすとんとスリムなシルエットですが、後ろはフレアー。カジュアルでいて、動くととてもエレガントなのです。どの服も着ると気分が上がり、誰かに会うと、そこからおしゃれの話が弾みそう。楽しさが広がると思います。

　今シーズンもうひとつの注目は、今までにない色づかいのシャツやブラウスです。
　丸襟の先端に大きな丸いブローチがついたようなシャツは「ぼたん色」「あさぎ色」「もえぎ色」「なでしこ色」。後ろの襟が三角形のプルオーバータイプのブラウスは「白」「水色」「ピンク」。そして長袖のカットソーは「黒×グレー」「ピンク×赤」「オリーブ×紺」「青×カーキ」の配色。
　赤、紺、カーキ。これまでも色の服はおつくりしてきましたが、今回は中間色ややわらかい色、そして２色のコンビネーションが登場。色数やトーンにぐんと幅ができ、お手持ちの服と合わせても、がらっと気分が変わり楽しんでいただけると思います。スタッフで試着してみましたが、みごとに似合う色が別れること、そして必ずぴったりくる色とデザインがあることも驚きでした。もちろんどれもいつものように安心して着ていただける袖丈や着丈、そして身幅でおつくりしていますので、定番のボトムとのバランスは問題ありません。

　このほか、今回は以前好評をいただいたワンピースを２着リバイバルしました。「カットソー水玉ワンピース」と「麻のVネックワンピース」です。どちらもよりおしゃれに着心地がよいよう、素材や着丈などをアレンジしました。ぜひ展示会でお試しいただければと思います。