特集　竹崎万梨子さんのストール展2019のお知らせ（第2話）

日本国内で育ったフライスランド系羊のごまちゃんのストール

　昨年出会われた、岡山県にある三好さんの牧場のごまちゃんは、『SPINNUTS』の国内フリースコンテンテストで特別賞をとった羊です。フライスランドはミルク用の羊で、その原毛は光沢のある白色。服ではなかなか着ないカラーをストールで楽しんでいただけたらと、今回オレンジと黄色に染められました。

オレンジ色のストールは、あたたか味のあるきれいな発色でお顔まわりがはなやかに。ひと巻きするだけでもしっかりボリュームがあるごまちゃんです。

「ごまちゃんの弾力は他の羊より飛び抜けているような気がします。弾力と艶のある毛質なので、空気感のある色になったように思います」と竹崎さん。

ふんわり素材の柔らかさを感じる、やさしい色味の黄色。ダークカラーが多くなる冬のコーディネートに映えます。

同じ糸で、綾織り（左上写真・右上写真下）と平織り（右上写真上）と二通りの織りがあり、導き糸（右上写真上）を残しアクセントにしたものも。幅23〜25㎝、長さ157〜160㎝くらいの細長いストールです。

メリノのストール

　羊毛の中で一番しなやかなニュージーランドのメリノ。脂分が多く、繊維が細いのでつくる工程ではデリケートに扱われたそう。縮絨もしっかり入れ、なめらかで膨らみのある風合いを出されています。深い赤と黒に染めたメリノのストールを楽しんでいただけます。

このメリノは、カシミヤと同じくらいの細さで100セカントのもの。巻くとボワンとなめらかに膨らみ、カシミヤよりもしっかりとした保温力を感じます。「ちょっと懐かしい雰囲気のある一枚です」と竹崎さんが巻いて見せてくださいました。

繊維も細番手で膨らみのあるメリノ良さを感じるフリースを染めた黒と、ナチュラルな茶から白のグラデーションを素材に格子で織った大きめの四角いストールは、ひと巻きで使いやすいサイズ。同じ格子でたっぷりふた巻きできる大判もあります。

チェビオットのやわらかなピンク

　チェビオットは、イギリスの羊で弾力と膨らみがあります。原毛が少し黄色味を帯びた白だったそうで、少量の赤で染めてこのピンクをつくられました。

25×167㎝ほどの細長いマフラーサイズはふた巻できますが、素材にしっかりと弾力があるのでひと巻きにして長く垂らしてもいい感じになります。

原毛の色を活かして染めたやさしいピンク。綿あめのようにふんわり光沢もありおいしそうに見えます。

キリッとした黒をカシミヤで

　カシミヤは、硬い毛に覆われている山羊の内側のうぶ毛を梳いてより分けて使うため、たくさんは取れず貴重な毛です。今回首にキリッとした黒が欲しいと思い、贅沢なカシミヤ素材のストールを小さめのスカーフサイズでつくられました。

やわらかく、豊かな肌触りはカシミヤ独特。「小さめのスカーフサイズなので、その時の雰囲気でキュッと巻いてもふんわり巻いても気持ちよく、様になると思います」とさりげなくフリンジを見せおしゃれに竹崎さんが巻いてくだり、とてもすてきでした。

カシミヤは繊維が細いので自然と細くなりますが、今回あまり細すぎないことを意識して紡ぎ、弾力のある糸にされたそうです。巻いた時に膨らみとなめらかさを感じる仕上がりは、竹崎さんならでは。

※ イオショップ＆ギャラリー（東京）とイオプラス（京都）では、展示販売させていただく商品が異なります。一部商品は会期終了後のお渡しとさせていただきます。あらかじめご容赦ください。
※ ストールの価格帯は¥46,000〜¥240,000＋税を予定しています。
※ 竹崎さんの在廊予定は、各ショップのインスタグラムでお知らせします。