夫からもらう1か月の家計費を計画的に使おうと思ったのが、60歳になってからなのです。それまでは私の仕事の買い物もまかなう財布に入れて、使っていましたから足りているのか足りていないのか、食費についても考えたことがなかったのでした。だから仕事が忙しい時は、近くのレストランで食べる、友達に会えばご馳走する。正直いうと、夫からの家計費で足りているわけがないと、内心思っていたのでした。
このご時世、私の仕事もおいしい収入から順々になくなって、気がついたら夫からもらう家計費がありがたいという内情。タハハハハ。
で、家計費の中から食費を別財布に入れて、その他の家計費はとりあえず郵便貯金することにしました。光熱費などは私の銀行預金から引き落としになっていますから、郵便貯金は特別な支出の時に使うということにしたのです。
で、ですね、食費を考えてやりくりして使う、それがなんだか面白くなっちゃった。変ですよねえ。でももともと平目より鰹の刺身が好きで、鯵、鯖、鰯の焼き魚が好きですから、必死に切り詰めているわけじゃありませんけど。
ただ、外食はずんと少なくなりました。だってあれ2人だと1万円以上はしますからね。
外食だったらいつもの家ご飯みたいじゃないものが食べたい。イタリアン、中華、すし、てんぷら。どれもおいしくなきゃ外食の意味がないし。当然お金はかかる。
この前、用あって2人で外出して、夕ご飯を食べてから帰ることになりました。外で夕食なんて久しぶりです。夫は中華が食べたいというのでしたが、しばらく外食をしていませんので、いいお店が思い浮かばない。結局以前よく行っていた代官山のアントニオというイタリア料理屋さんに行きました。知っている店は気が楽です。この年になると味のわからない新しい店はおっくうですのね。
奥のいい感じの席に案内され、座る。なーんかほっとする。夫の好みは分かっているので、私が料理を選ぶ。メニューの味も量もだいたい読めるので、迷わず決める。
外食が少なくなってから食べる量がぐっと減りました。前は頼みすぎて無理して食べていましたねえ。胃も近ごろの食生活に合わせて、小さくなったみたい。
突然ですが、昨年人間ドックに入って、あちこち検査してもらったけど、私の胃はいわゆる胃の形をしていないのでした。ずるっと伸びて腸まで下がっていたのでした。医者は胃下垂というのです。昔のおばあさんの乳房みたいな形の私の胃は、長年食べ過ぎたせいと思う。もう取り返しがつきません。とても寂しかった。
少食になったけど私の胃は垂れ下がったまんまだろうなあ。
一皿ずつの料理を半分ずつ食べて、デザートは夫がティラミス、私はコーヒー。
おいしかったし楽しかったけど、外食は1か月に一度でいい。私たちの胃も財布の中身も年をとったのです。