おしゃれは大事よ
出かける前に、おしゃれの点検


 ずいぶん前に母が縫ってくれた着物を、数年前に呉服屋でつくった長襦袢の上に着て、お茶の稽古に行きました。どうも着心地がよくありません。袖丈は一尺三寸で合っているんだけれど、長襦袢の袖がはみ出てしまうのです。気になります。人に変に思われるなぁ。何度も長襦袢の袖を押しこみました。
 着てる衣服を変と思ったら、気持ちが落ちつきません。若い時、よしと思った服で出かけたのに、途中で似合わないみたいな気になり嫌になって、家にもどって着替えて出なおしたり、デパートにとびこんで安物を買って着替えたりしたことがあったことを思い出しました。
 私の長襦袢は、身幅とか袖幅が昔の着物と違ったせいだと思います。着物はもどってパッと着替えるわけにはいきません。それでお稽古中、袖が気になるのでソワソワ。初歩的な間違いを何度もしていました。
 汚れやしみがほんのちょっとついている服、知ってて着て出かけると、会う人がそれを見つけたんじゃないかと、ヒヤヒヤ。まともにその人の顔が見られないこともありました。
 また、歯の治療が中途半端でみっとも悪い、歯がぬけたまんま、歯並びが極端に悪ければ、笑う時や話す時に、反射的に手が口もとをおおいます。私は昔から歯が弱く、年とともにみっとも悪くなり、夫に歯をなおせお金をかけろといわれ続けています。なんとか左半分をなおしました。前よりずっとモジモジしなくなったと思います。
 生まれつききれいな人は、性格がおだやかで素直と私思います。引けめを感じなくてよいからです。きれいじゃなく生まれてきた私、素直じゃないとこ多いもの。その上に着るものなどで気おくれしてたんじゃあ。
 古い着物は仕立てなおしをいたします。

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