それぞれに着ていただけるよう
ここ数年この特集担当は「新しい服が揃いました!」とお知らせをもらうと大橋の事務所をたずね、新作を見ながら服づくりの話を聞くのを楽しみにしています。毎回「たいへんでした」と話をはじめる大橋ですが、見れば必ず着てみたい服があって、次の季節が待ち遠しくなるからです。
今回も大橋は不安そうです。確かにぱっと目を引く鮮やかな色は少なく黒い服が目立つし、総数もいつもより少なめです。でも確率がいいというか、いつものわくわくはそのまま。レポートにも力が入ります! 第1話ではトピックスを紹介しながらフルラインナップをご覧いただきたいと思います。
ふたつのコートはどちらもトラッドな雰囲気なのにそれぞれ新鮮さを感じます。久々に新しいシルエットのパンツが登場し、これは人気者になりそうな予感がします。大橋のイラストがそのまま3Dで立ち上がったようなワンピースやニットもあります。前回「いつもの気持ちで着られる」と幅広い年齢の方にご好評をいただいたフォーマルウエアの秋冬バージョンもあります。シャツやパンツなど特にサイズ感が気になるアイテムのいくつかは3サイズ展開になっています。
また、どの服もシンプルなデザイン。このコーディネートで、という枠がありません。それぞれの方の着こなしで、これまでのa.やお手持ちのアイテムを合わせて楽しんでいただきやすいと思います。
大橋の「ふつうの服」
大橋はいつも自分がつくりたいのは「ふつうの服」だと言います。でもずっとイラストレーターとして時代とともに仕事をしてきた大橋の「ふつう」は「ちょっと新しくて、ちょっとかっこよくて、着るとちょっと気分のいいもの」という楽しいおまけがついた「ふつう」。さらに年齢とともに「着ごこち」という大人の大事も加わった「ふつう」です。そんな服をかたちにするため、大橋は「ふつうに着られるものはどんなものなんだろう」と意識してよく周りをきょろきょろ見ているそう。動きの怪しい大橋にあったときは「服のことを考え中」とご容赦いただければと思います。
さて、まだ残暑の厳しい中ですが、来週8月20日(土)から
神戸・草灯舎にて2106-17秋冬の展示会が始まります。どうぞお運びいただければと思います。大橋は初日20日会場におります。