「entoan」の靴展、新作をご紹介した第1話に続き、第2話では、櫻井さんたちが定番でつくり続けている靴と、新しい革小物をご覧いただきたいと思います。
会期中、東京・駒沢のイオショップ&ギャラリーは、「entoan靴店」と、「a.服店」が同居する、賑やかなスペースになります。駒沢公園のお散歩も気持ちのいい季節。ぜひこの機会にお運びください!
スリッポン
第1話でご紹介した、「entoan」と大橋の最初の出会いの靴が、このスリッポンです。シンプルなデザインですが、甲のゆるやかな斜めカーブや、さりげなく施された手縫いのステッチが印象的です。嬉しいのは、デニムのようなカジュアルな服装も、ワンピースでのお出かけ着もおまかせ、なこと。素足もタイツも靴下もよく似合います。
イタリア・トスカーナのバダラッシ社がつくる植物タンニンなめしの革を使用。履きこむうちに色がこっくりと変化していく、女性の靴にはあまりない楽しみも味わえます。今回はネイビーが新色として加わりました。サイズは22cmから5mm刻みで25cmまで。各¥40,000+税
サドルシューズ
サドルシューズという名前は、靴の甲の部分にサドル(馬の鞍)を載せたような意匠からきています。昔からある男性用の靴のデザインですが、櫻井さんのサドルシューズはかたちも革のカッティングも、全体にやさしい丸みを帯びているのが特徴。大人の女性にも履きやすい靴です。ルールを設けず、一足ずつこだわって選んだ革や靴紐のコンビネーションは圧巻。今年は、白×黒も加わりました。サイズは22.5cmから5mm刻みで25cmまで。各¥60,000+税
長い外羽根
「entoan」の靴は、おしゃれな外見を確かな製法が支えています。履くと気分が上がる、長いつま先の「長い外羽根」靴も例外ではありません。
足をしっかりサポートするよう、土踏まずの部分のソール(靴底)をアッパー(甲)側にグイッと伸ばしてあったり、履き続けるうちにその人の足に合わせて中底の形が変わっていくつくりになっていたり。かっこいいけれどキメキメ過ぎないのは、自然な風合いの植物タンニンなめしの革を選んでいるから。もちろん履き心地のよさにもつながっています。サイズは22cmから5mm刻みで24.5cmまで。各¥60,000+税
チャッカーブーツ・レースアップブーツ
次第に寒くなるこれからの季節に活躍してくれるブーツも2型ご用意があります。ひとつはくるぶし丈。足元をすっきり見せてくれるシンプルなチャッカーブーツ。もうひとつは編み上げタイプのレースアップブーツ。こちらはちょっとボリュームがあり、カジュアルな服とのコーディネートはもちろん、シックな服に合わせてアンバランスに着こなすのも楽しそうです。深いこげ茶や、ニュアンスのある黒は、a.の服にぴったりです。
チャッカーブーツ(左)は5色。サイズは23cmから5mm刻みで25cmまで。各¥60,000+税
レースアップブーツ(右)は4色。サイズは23cmから5mm刻みで26cmまで。各¥72,000+税
新しい革小物
櫻井さんたちが革小物をつくり始めたのは、靴をつくる際に出るあまり革を無駄にしたくなかったから。「もったいない」からのスタートでしたが、ひとつひとつの革の持ち味を生かして完成した小物たちは今や人気アイテムに。「おなかぽっこりキーケース」(写真左下)や「ポーチ」(右上)に続き、今回は「一枚革コードクリップ(左上)」、「ななめパスケース(右下)」が新登場。どれもバッグの中に入っていたらかなり嬉しいものばかり。お値段も手頃です。自分用に、そしてプレゼント用に、お見逃しのないように! 一枚革コードクリップ各¥1,200+税、ななめパスケース各¥5,500+税
※「entoan」の靴は、受注をいただいてからの生産になります。お渡しするまで4か月ほどいただきますこと、ご了承ください。また、革小物につきましては、限定数販売となります。
※会期中、櫻井さんか富澤さんが在廊する予定です。ふたりとも、いつもは工房で黙々と仕事をしていることが多いので、お客様にお会いできるのを楽しみにしています。また、「entoan」の靴以外の修理などにもできる限り対応いたします。お気軽にお声がけください。
取材:田中真理子