「entoan」のこと
「
entoan(エントアン)」は、靴職人の櫻井義浩(さくらい よしひろ)さんと富澤智晶(とみざわ ちあき)さんの工房の名前。ふたりが手がける、オリジナルデザイン・手づくりの靴のブランド名でもあります。
櫻井さんと大橋の
出会いは今から7年ほど前。当時大橋は、自身がはじめたブランド「a.」の服の撮影に使う靴を探していて、「entoan」の靴に出会ったのです。偶然雑誌で見つけた櫻井さんのつくるスリッポンは、a.の服にぴったり。2011年に出た、最初のa.のカタログでは大活躍でした。
その後、「ちゃんとした靴をつくっていて、仕事が好きで、革のことをよくご存知で、おしゃれ」な櫻井さんたちに、a.の「
革のトート」を製作してもらうなどご縁が続き、展示会もさせていただいているのです。
流行に左右されず、履くことで育っていく「entoan」の靴は、年に何度かの展示会と、埼玉県越谷市の工房で月に1、2回開催するアトリエショップでの受注生産が中心。なかなか全貌が見られる機会がなく、東京での展示会も2年ぶりとなります。この貴重な機会にぜひおいでいただければと思います。特集第1話では新作を、第2話では「スリッポン」をはじめとした定番や革小物をご紹介いたします。お運びいただく際の、参考にしていただければ幸いです。写真をクリックすると大きな画像が表示されます。
一枚革の外羽根
一枚革という名前は、靴は通常外側の革と内側(直接足に触れる部分)の革、2枚を合わせてつくられますが、厚みのある革一枚のみでできていることからきています。アッパー全体としても前・後の2パーツのみの構成。そのため縫い目が極端に少なく、また、つま先やかかとに硬い芯が入っていないので、とてもリラックスした履き心地です。植物タンニンなめしの厚手の上質な革は、履きこむほどに足になじんでいきます。
もうひとつ特筆すべきは、2通りの履き方ができること。ベロを上にして紐を通すと、スリッポン風に! イオグラフィックのスタッフには大好評でした。色は写真のブラックとサビア(ベージュ)の他にダークブラウン、グレー、ネイビーがあります。サイズはS、M、Lの3サイズ。¥25,000+税
フリンジサンダル
使用している革も、アッパー本体が2パーツで構成されている点も、上の「一枚革の外羽根」と共通しています。とても履きやすいのですが、それだけでなく、甲を覆うフリンジや編み込みベルトがなんともかわいい! 元気になれる! 厚手の靴下を合わせて、あと少し季節が進んでも履いて歩きたいきたい気分にさせるサンダルです。色は写真のブラックとサビア(ベージュ)の他にダークブラウン、グレー、ネイビーがあります。サイズは22、23、24、25cmの4サイズ。¥27,000+税
ローファー
ローファーは紐靴に比べて、足合わせの難しい靴。「すべての人には無理かもしれないけれど、なるべく多くの人に合うようにしたい。そう思って木型を新しくつくり、さらに削るなどして調整することから始めました」と櫻井さん。今年ようやくお披露目となったローファーは、フォルム、革選び、革のピンキング、そしてステッチのひとつひとつに「entoan」らしさがあり、かっちりしていてなおかつやさしい印象。飽きずに長く履けそうです。
このローファー、革や色のバリエーションが豊富なのも嬉しいところ。例えば同じ黒でも、表革のみ、表革裏革のコンビから選ぶことができるし、茶系も数色ご用意があります。また、基本は革底ですが、ラバーソールに変えることもできます。サイズは22.5cmから5mm刻みで25cmまで。¥60,000+税〜
オパーズ
「オパーズ」は、オパンケ製法とルームシューズを合わせた櫻井さんたちの造語。最初につくったのは、ソール(靴底)の革をアッパーに被せて縫う、オパンケ製法を利用した室内履きでした。発売するや一枚革で甲を深く包むデザインや、ヌメ革のくしゃっとした雰囲気が大好評。外履きにしたいというリクエストも多く寄せられ、クレープ底加工も承ることになりました。外からは分かりませんが、かかとが少し高くなっているので、長時間履いていても疲れません。色はアンティーク(茶色)、こげ茶、黒の3色。ユニセックスで、サイズは22cmから1cm刻みで28cmまで。¥16,000+税
マウンテン・パーティ
メンズのレースアップブーツ。イメージしたのは“山のパーティ”です。内羽根や飾り穴、ピンキングなどのドレッシーな要素に、登山靴風の靴紐や靴底をバランスよく組み合わせたこだわりのデザイン。つくりにも手抜きはありません。
「手作業でアッパーとソールを縫い合わせる、ハンドソーン製法です。耐久性にすぐれ、履き込んでいくうちに中底の革にその人の足に沿った沈みができ、自分にあってくる。修理もしやすい製法なので、長く履いていただけます」と櫻井さん。こんな靴をプレゼントしたくなる相手がいるといいな、と思わせる一足です。色はスタッフの石井が履いているアンティーク(茶色)×ブラックを始め4色。サイズは25、25.5、26、26.5cm。¥72,000+税
※「entoan」の靴はすべて受注生産となります。ご注文いただいてからお渡しまで4か月ほど要しますことをご了承ください。