特集　廣田理子さんのガラスのアクセサリー展2019【第1話】色ガラスのボタニカルシリーズ

　2012年から毎年イオショプ＆ギャラリー（東京）で開催させていただいている廣田理子（あやこ）さんのアクセサリー展は、この季節楽しみにしてくださっている方も多いと思います。私たちスタッフも、今年の新作が届くのを心待ちにしていました。
　今回のテーマは「ボタニカル」。第１話では、色ガラスを素材に制作された新作をお伝えします。

色ガラスのボタニカルシリーズ

　色ガラスを素材にするとき、廣田さんはまず使用するガラスの色を見て、その色のイメージでデザインを決めるそうで、色によってパーツのデザインが異なるのはそのためです。「ボタニカル」をテーマにつくられた色ガラスのアクセサリーをご覧ください。

「深緑や黄緑など少しずつ色合いが異なる緑のガラスで羽のような半円のパーツをつくり、数枚くっつけて一つのかたちにしました。これは羽がついた種（翼果）をイメージしたものです」と廣田さん。濃淡のある緑のガラスは本物の植物のように立体的で、みずみずしく感じます。

首元に沿うネックレス。透明感のある緑のパーツは、さわやかな印象になります。

昨年制作された薄花びらシリーズを、今回は厚みのある立体的なパーツにしてみようとこちらのデザインを考えられたそうです。ぷっくりとかわいいモチーフですが、深い赤色ガラスは甘くならず大人っぽくつけていただけると思います。

赤いガラスになじむ、フランス製の革の丸紐を合わせたネックレス。コーディネートの差し色になります。

「黒いガラスを見てこの黒なら三つ葉。と思いました」インパクトのある黒いガラスも廣田さんの手によって立体的な三つ葉モチーフになると、雰囲気がやわらかく感じますね。

白いシャツに合わせシックな装いに。ネックレスの黒紐は素肌にやさしいシリコンチューブ素材です。

発色のいい黄色ガラスのアクセサリーは、黄色の花びらをイメージされたそうです。フロスト加工（ガラスの表面をつや消しする）を施したガラスを部分的に合体させ、表情のあるパーツに。

耳元で揺れる花びらがはなやかなイヤリング。ビタミンカラーはお顔まわりが明るくなり、夏のおしゃれにぴったりです。

「青色ガラスを見たとき、最近天然素材に触れる機会が多く気なっていた藁（わら）の繊維を表現するのにぴったりと思い、クリアガラスに線を引くように青ガラスをのせてパーツをつくりました」と弾んだ声でお話してくださいました。青色が藁に結びつくなんて、廣田さんの発想はおもしろいですね。

四角いクリアガラスのまわりに青ガラスで線が施されています。どの指にもはめられるのがうれしいリリヤン素材の指輪です。

クリアガラスに白色ガラスを合わせたシリーズ。こちらも手前は藁の断面のイメージで白ガラスで線を施したデザインだそうです。

クリアガラスと白色ガラスの組み合わせは、いろんな色や素材の服と幅広くコーディネートをお楽しみいただけると思います。