3週連続でお伝えしている「shinoさんのビーズのチョーカー展」。今回はチョーカーを愛用しているかたたちに、その魅力について伺いました。チョーカー選びの参考になるお話もいろいろ出てきます。ご一読ください!
ブルー系のシンプルなチョーカーをスタッフの髙橋がつけてみました。襟ぐりのあいた
a.のグレーのワンピースと。冬にもよさそうです。
ちょっときらきらしたのが好き
伊藤久子さんはshinoさんのチョーカーを4本持っています。写真が5点なのは、お義母さまのも入っているから。伊藤さんがしてらしたのを見て「私のも探して欲しい」と頼まれたそう。
「shinoさんのチョーカーはビーズという身近な素材を使っていて、ビーズだけれど軽くない感じなのが好き」と伊藤さん。
「それまでしたことのないタイプでしたが意外とあわせやすくて。無地の服だけでなくモノトーンの柄のTシャツなどにもよくつけています」。夏は写真のブルー系かグリーン系で軽快に。赤や黒のは秋から冬に出番が多くなりますが、ちょっとおしゃれしたい気分の時もいいと言います。
「シンプルでおとなしい感じで、アクセントがついていたとしても小さいのを選んでいますね。ただいくつか試着してみて自分にはどこかキラキラしているのがよさそうと知りました(笑)。長さもけっこう大事だと思います。私には首にきゅっと寄る短めがいいみたい」。
長さ違いを重ねづけ
「shinoさんのチョーカー展は蚤の市で宝物を探すのと似ている。ざくっと並んだなかから好きなのを選んでね、という雰囲気が楽しい」と話すのは土居真澄さん。たくさんの中から選んだのは赤・茶・オレンジのシンプルなチョーカー。そして鈍色に光る小さなどんぐりがついた茶系のグラデーションです。どちらもシックで温かみのある色あいがお気に入り。それぞれ別の年、別のギャラリーで買い求めましたが、重ねづけすることが多いそう。
「冬はほとんどタートルなんです。シャツも重ねるので、チョーカーが襟に隠れて見えるのは一部。2重にしてもちょうどいいぐらいと思います。今日は赤のニットですが、黒にもピンクにもボルドーにもゴールドのタートルにもなじむし映える。不思議です」。
ちなみに真澄さんのチョーカーは40㎝(どんぐり)、と44㎝。長さが違うのがきれいに2重になるポイント。お手持ちのチョーカーとあわせる時はサイズを確認して選ぶと使いやすそうです。
男性サイズがもっとあるといい
shinoさんのチョーカーには男性ファンもかなりいらっしゃいます。土居啓二さんもそのお一人。長年勤務していらした会社を辞め、ご夫婦で設計士事務所を設立。ネクタイのかわりになる何かを探していた時に「ほぼ日」でshinoさんのチョーカーを知り(2009年、イオギャラリーでの最初のチョーカー展をご紹介いただいた記事でした)「これだ!」と思われたそう。
「ネクタイをしなくなったのでかわりにさし色が欲しかったんです。shinoさんのチョーカーは色のバリエーションがあって、その中からマットなのを選べば男性でも、僕でもいいのでは、と思いました。太さがあるからきっちりして見えますしね」。3本お持ちの中からこの日していらしたのは、グリーンのグラデーションのチョーカー。「渋くて」好きでいちばん出番が多いそうです。
「僕は首が太いので、サイズ的にちょうどのを探すと選択肢が少なくなってしまう。男性サイズがもっとあるといいんですけれど」。
留め具のビーズの並びにもきゅん!
フルーツドロップのような色あいと、生クリームのような白。おいしそうなチョーカーをお持ちなのは笠原一子さん。
「どちらのチョーカーもすーっと引き寄せられたというかひとめぼれだったんですが、自分がするにはちょっとかわいらしすぎるかしら、と不安もよぎりました。でも実際してみると案外大丈夫じゃない? と思えて。shinoさんの色を選んでまとめあげるセンスはすごい!と思ったり、その一方で自分が60歳間近になって白髪が増え、かわいいものもいけるようになったのかなと思ったり。でも、20代の姪も私がしているのを見て「いいね、おばちゃん飽きたらちょうだい」と言います。彼女にも似合うんですけれど、まだあげません(笑)」。
22色のビーズを配したカラフルなチョーカーは着る服の色を選ばず使いやすく、白いチョーカーはパールと同じように使えると笠原さん。
「shinoさんのチョーカーは芯が綿コードで軽いつくりですが、つけると肌になじみ重さが1カ所にかからず分散。肩がこらないのもおすすめです」。
「なにか」がついている
イオグラフィックのshinoマニア・荻原が選ぶのはチョーカーになにかがくっついているタイプ。見せてもらうとたしかに「なにか」がとしか説明できないものがどれにもついています。
「ちょっと目立つもの、動きがあるものに惹かれるみたいです」。赤いビーズが先端についた磁器パーツがチョーカーからピッピッと飛び出しているのは、短めで首にぎゅっと詰まるパンクっぽさが好きで襟ぐりのあいたT シャツなどに。長いチョーカーはパーツがひょろひょろと出ているその表情が好きでニットに泳がせるように。この特集担当はついつい身の丈や首回りに似合うサイズという観点から選びがちなので、荻原の自由さに視野が広がりました。
「これもなんかついているんですけれど、チョーカーの半分はシンプルなオレンジ。前にする位置をかえると別の楽しみ方ができるとshinoさんに教わりました。オレンジサイドも華やかで、紺や黒の冬服を明るくしてくれます」。
旅先でのおしゃれに活躍
shinoさんが東京で初めて個展をなさった頃からのファンという吉田悦子さん。長くビーズのチョーカーを愛用してきて、特にそのよさを実感するのは旅行の時だと言います。
「同じ服がshinoさんのチョーカーをプラスするだけでなにか重ね着をしたように雰囲気が変わるから、1着分荷物が少なくてすむんです。気取らずおしゃれなので旅先の夜の食事会などにはぴったり。留め具が簡単なのもいいですね。小さいのだとつけるのに手間取ってやーめた、となってしまうこともありますけれど(笑)、これはぱっとつけられます」。丈夫だから取り扱いも気楽。くるくるっと丸くして袋にいれ、旅行かばんに必ず入れて行くそう。吉田さんがチョーカーで気軽におしゃれを楽しむ様子に、周囲からは「どこで買えるの?」とよく聞かれると言います。
「shinoさんのチョーカーは年2回の個展でしか買えないのでオープンと同時にたくさんの方がいらっしゃる。開始直後だとすべてのチョーカーが見られますが、舞い上がりがち(笑)。私は少し時間をずらしてから行き、ゆっくり見るのが好きです。それでも必ずこれ、と思うものがみつかるので」。
確かに。でもやはりできればなるべくたくさん見たい。悩ましい問題です。
取材:田中真理子