京都では初めての個展
イオグラフィックで
竹崎万梨子さんのストール展をさせていただくのは、今年で4回目になります。この季節になるとお問い合わせも多くいただき、また、
以前にお求めくださった方から「早くあのストールを巻きたくて、寒くなるのが待ち遠しいほど」と伺うと、スタッフ冥利につきるというか、嬉しくなってしまいます。
今年は初めて会場を京都の
イオプラスとし、40点ほどをご覧いただきます。それに先駆けて特集では2話にわたり、竹崎さんのストールをご紹介したいと思います。まずは今回とても新鮮な、四角い、「スカーフのようなストール」からです。
スカーフ? ストール?
スカーフのようなストールつくりたい、と思ったきっかけは、少し年上の親しい方がスカーフを巻いていたその雰囲気が、とても素敵だったからだそう。
「とてもきれいな色のスカーフで、何気なく巻いているのですが、結び目や布の端がぴょんと飛び出している感じがいいな、と思いました。顔の近くに動きが出るんです」。
シルクのスカーフはどちらかといえばエレガントなイメージ。あまりつけることがなく遠のいていたという竹崎さん。でも、その時の印象をきっかけに気持ちが動き始めました。
羊毛やリャマ、カシミヤで薄手の四角いストールをつくるとどうだろう? 自分にとって身近で、スカーフとかストールの枠をひょいと超えた、新鮮なものができそう、と。
「ひと巻きしたり、ふた巻きしたり、前に垂らしたり、結び目の位置を変えたり。それぞれに楽しめます。使い勝手もいいと思います。コートを脱いでもそのままアクセサリーのように付けておくこともできるし、ジャケットやコートの中に入れてももたつかないですしね」。
その時々の心地よさを大切に
原毛を洗ってほぐし、カードをかけて毛並みを揃え、紡いで糸にしたら一旦それを蒸して糸巻きに巻き、その糸を機にかけて、織って縮絨。時には原毛に混じっている枯れ草や小石を取り除くことから始める一連の作業を、竹崎さんはひとりで進めていきます。その過程で大事にしているのは自然の素材に敬意を払うこと。ひとつひとつの原毛の個性や魅力を生かすこと。そのためにも自分に枠をつくらないで、その時々に心地よいと感じたこと、いいなと思ったことを大切にすること。
そんな背景から生まれた、竹崎さんならではの、スカーフのようなストール。手触りも、つけた時の雰囲気も一枚一枚違って、つけてみるとそれぞれの魅力でわくわくさせてくれます。ぜひ実際にご覧いただければと思います。
京都イオプラスでの展示の際、竹崎さんは初日18日(金曜)と19日(土曜)在廊予定です。緊張症なところもありますが、どうぞお声掛けください。羊毛について、ストールの巻き方について、楽しいお話が聞けると思います。
第2話ではきれいな色や、素材を思いきり楽しめるストールをご紹介します。ご期待ください。