製作過程の写真とともにご紹介
今週11/18(金曜)から京都のイオプラスで始まる
竹崎万梨子さんのストール展。四角いスカーフをご覧いただいた第1話に続き、第2話では色や原毛をクローズアップしながら紹介していきたいと思います。
今回も、ご本人が撮影した、製作過程の写真を紹介させて欲しいとお願いしました。どの写真も、つくり手だからこそ立ちあえるシーンばかり。できたての糸のかわいらしさや、織り機に張られた糸の美しさに見とれてしまいます。なかでも感動したのが、最初の写真でした。
首元にちょこんと元気なピンク
写真には赤いピンク、青いピンク、赤、朱赤、オレンジ、鮮やかなフリース(原毛)がカゴに入って並んでいます。フリースを染めて日干しした日の窓際。ふだんあまり目にすることのない強い色に一瞬驚きますが、色を含んだ羊毛は、上品な空気をまとっていることに気づきます。
このあと竹崎さんは染めたフリースをいろいろに混ぜあわせ、奥行きのあるピンク、赤、そしてオレンジの糸を紡いでいきます。シェットランド羊の弾力としなやかさを生かし、ふっくら柔らかな糸になるように心がけながら。そうして完成したのが、「首元にちょこんと元気なピンクのが巻かれているとワクワク楽しいストール」です。
似合うピンクを探す楽しみ
このシリーズは8枚。経糸と緯糸の組み合わせや、織り方を1枚ずつ変えてつくっています。つまりは1点ものなのですが、1点しかないことに意味があるのではないのだと思います。同じピンク系でも、少しずつ違うものが揃っていると、その中から選ぶ人が似合う色を探せるのです。
この特集担当も試着させてもらいました。まずは初めてのピンクが大丈夫なのか、ちょっとドキドキしながら巻いてみました。おお、なんだか気分が上がります! そして最初自分では赤っぽいピンクの方が好き、と思ったのですが、実際つけてみたら青っぽいピンクの方がキリッとしていい感じなのでした。こんな発見ができるのも、竹崎さんのストールの魅力です。
自然が生む色、命を守るエネルギー
また、第2話の最後に紹介する、大判のストールの原毛の写真にも圧倒されました。モンゴルの遊牧民が飼っていた子羊の毛で、届いたパックには刈られた毛がそのままぎゅっと詰められていたそうです。写真は、パックを解いて毛色・毛質ごとに仕分けた時のものですが、まるでそこにモンゴルの子羊がいるかのよう。自然が生む色は美しく、毛が命を守るものであることが伝わってきます。
竹崎さんはよく、原毛のエネルギーを生かしたい、感じてもらえると嬉しい、と言います。モダンなデザインにたどり着くまでに、きっとこういうシーンをたくさん積み重ねているのだろうと思います。
今回、展示したストールに使用した原毛も見ていただこうと何種類かイオプラスに持参いたします。
原毛の話をする時の竹崎さんは、大好きな人の話をしているようで楽しそうです。初日18日(金曜)、19日(土曜)、20日(日曜)は在廊いたします。ぜひ質問をしてください。また、最後のストールについては、原毛が届いてから完成までの様子が、
竹崎さんのブログに細やかに紹介されています。ご興味のある方はご覧になってください。
※ストールはすべて1点ものとなり、現品限りとなります。また、価格は、¥37,000〜¥160,000(税別)を予定しています。