石川さんはアパレル会社の後、雑貨店にお勤めし、その後そこで初めて布の小物展をされ1999年より布小物作家として活動を続けていらっしゃいます。2003年にはご友人と恵比寿に器と雑貨のお店「イコッカ」を出し、2008年に作品に専念するためお店を離れたそうです。現在は手づくりの布小物や服の書籍も出版され、各地でワークショップも開催しファンの方がたくさんいらっしゃいます。
きっと服飾系の学校で学ばれ制作されていらっしゃるのだと思い込んでいたら、お話をお伺いした際に「独学です」とにこにことおっしゃられ、びっくりしました。
「ものをつくるきっかけとしてはおしゃれが好きで、だけど田舎だったので着たい服がないしお金もないし、中学の時に型紙を買って簡単にアレンジしてつくったこともあります。その後、バッグや小物は自分用とか人にあげるのにつくっていました。アパレルの後に雑貨屋に勤め、その頃からこれもつくれるかもと思ってなんでもやってみるようになって。その雑貨屋さんでの初めての個展ですごく売れて、やっぱりうれしかったですね。恵比寿で友人とお店(イコッカ)を出した時は、毎週金曜日に新作を出すという決まりをつくって、お店を離れ独立するまでそれをずっとやっていました。独学ですけど、そういう今までの経験とかがちょっとずつ生かされているのかなぁとは思います。アパレルにいたことも素材とか色々見て、自分なりには勉強できていたのかなって」と石川さん。小物も服もデザインを描いてパターンを起こしてという基本のつくり方ではなく、だいたいこんな感じかなっていうところからフリーハンドで布切りして縫っていくという、魔法のような石川さんのつくり方を伺い、だからこそ自由でおもしろくて他にない雰囲気のあるものをつくられるのかもしれないと思いました。
「すごく変わったものをつくろうっていう気はそんなにないんですよね。シンプルなものが好きなので、シンプルにデザインされたものがいいなと思いつくっています」。シンプルなデザインでらしさを表現するのはとてもむずかしそうですが、バッグを見せていただくとちょっとしたところに個性があったり石川さんのセンスが感じられ、ワクワクしてきました。石川さんらしい楽しいバッグの一部をご紹介します。