さて、今シーズンのボトムでいちばんの注目は麻のタックスカートです。
　濃紺と黒。ベーシックな、でも探すとなかなか見つけられない、つまりとても大橋らしいデザインをしています。もちろんウェストはゴムでらくちん。それでいて腰回りがすっきりみえるのはひだのおさえかたや分量に理由があるようです。
　このスカートはウェスト位置から少し下までひだをステッチでおさえてあります。学生の頃の制服がひだスカートだったという方は経験があるかと思いますが、ひだがウェストのすぐ下からぼわっと広がってしまいがち。かといって下の方までおさえすぎると今度は下腹のぽっこりが目立ってしまう。その点このスカートはおさえ具合が絶妙です。また、ゆったり大きく浅めなひだなので生地のボリュームもほどよい感じ。涼しげで春夏らしい仕上がりになっています。
　ウェストのゴムの位置を上げたり下げたりして、腰回りのシルエットや丈を好きな感じに調整することができます。

　パンツは定番の幅広タイプ、サルエルパンツ、バルーンパンツがそろいました。それぞれ素材を新しくしたり、シルエットを進化させています。

　幅広パンツは好評をいただいているサイズやシルエットはそのままに、素材を変えてつくりました。ひとつはキャメルカラーでチノクロスのような素材感の綿麻、もうひとつが綿ブロード、白×黒のギンガムチェックです。
　どちらも素肌にさらりと気持ちのいい素材。とてもコーディネートがしやすく、手洗いが可能。洗って乾かして毎日のようにはいていただけるパンツです。
　イオグラフィックのスタッフの荻原はサルエルパンツやバルーンパンツは苦手でもっぱら幅広パンツ派です。身長163㎝で、a.の服は基本的にMサイズを選ぶのですが、幅広パンツに限っては「短めにはくのが好き」でSを選択しています。「ワイドパンツは少し脚がでるぐらいのほうが軽やかだから」というのが荻原の意見。全体のバランスも問題なく、足首もきれいに見えます。特に春夏はよさそうです。

　今シーズンのサルエルパンツはセンター部分に切り替えをつくり、これまでより布の分量も多くして、動きやすくしたのが特徴です。その影響でシルエットにも変化が表れました。特集担当はどちらかというと幅広パンツ派なので、ちょっとドレープが多いかな、という印象でした。でもサルエル好きのスタッフの近藤はなんてことなさそう。さっそく試してみました。
「ああ、これは足さばきがすごくらく。遊びがあっていいです！」。
　近藤によるとサルエルパンツの好きなところは楽しくておしゃれ感のあるシルエット。そして足の長さやヒップをうやむやにしてくれること。
「パンツは動いているときのシルエットが大事」というのはもうひとりのサルエル派スタッフの高橋です。なるほど、歩くと後ろ姿がかわいい！　大橋もそうですが、サルエルパンツは小柄の女性にも感じよくきていただけます。

　ヒップラインやふともものカバー力に定評のあるバルーンパンツは今回初めてニット素材でつくりました。ベビー服にも使われるコットンスムースという素材で、なめらかでしっとりとした手触り。はき心地ばつぐんです。家で洗濯が可能、洗っても素材感がキープできるのもうれしいです。
　かたちはこれまでと同じ。すでにバルーンパンツをご愛用いただいている方はイメージしていただきやすいのですが、布帛より生地に重みがある分、バルーンのふくらみが落ち着いてみえる。素材違いのおもしろさですね。
　大橋がつくりたい、着やすくて素敵にみえる大人のパンツは、つぎつぎに新しいかたちが登場するというタイプのものではありません。むしろ「これ」と思った基本型を大切にして、季節にあわせて素材を選んだり、流行の気分をパターンに反映させて調整したりという作業を積み重ねていきたいと願っています。これからもご期待下さい！
　第３話でご紹介したバルーンパンツ、サルエルパンツは3月下旬入荷予定、幅広パンツは4月中旬の入荷を予定しています。詳細情報はイオグラフィックのHPにてお知らせ致します。