2014年春夏のa.とA.速報。最終回はA.のメンズアイテムをご紹介します。
　今シーズンいちばんに見ていただきたいのは綿のテーラードタイプのジャケットです。３つボタンで色は濃紺と黒。これまでのパイルジャケットやヘリンボーンジャケットと同様、小さめにカジュアルに着ていただくシルエットですが、綿の布帛は今回が初めて。なんだかとても新鮮です。
　さっそく年の頃も背格好も違うふたりの男性に試着てもらいましたがいかがでしょう。キャメル色のA.のワークパンツにも、ふたりがご愛用のデニムにもすっとなじんでみえます。
　新しいのに借り物っぽくないのは肩パッドや硬い芯を使わず、縫製後製品洗いをしているから。上質の綿のコーマ糸を使った風合いのある生地は洗濯にも強く、家での手洗いが可能。洗うことでさらにいい味に育っていきます。ちょっと袖口を折り返すと見える綿キュプラの裏地がくしゃっとしているのもこなれた感じ。ふたりの反応も「軽やかでいい」「体から付かず離れずで動きやすい」と上々です。

　でもこのジャケットの魅力は素材だけではありません。ディテールも見逃せない。
　たとえば濃紺の裏地は清涼感のある白。縫い代にほどこしたパイピングや、内ポケットの布使いがはっと目を引きます。また、袖は総裏、袖口は見せかけではない“本開き”。するっと腕が通せるのでとても着やすいし、ちゃんとボタンホールがついているので袖口が開け閉めしやすい。ニュアンスだって違います。
　さらには襟裏にある隠しボタンを閉じればちび襟にして雰囲気を変えることもできる。いろいろ着ていて自慢したくなるのは、この特集担当の女性目線だから？　いえ、男性もきっと同じだと思います。
　大橋がつくりたいメンズは、ベーシックななかに “今”ならではの雰囲気が感じられる服。このジャケットはまさにそれがかたちになった１着です。白の裏地やパイピングがちょっと派手、と思われる方には同じく凝ったつくりながらそれが目立たない黒がおすすめです。

　定番のボタンダウンシャツには新しくオリジナルプリントの「HANA」と白黒のギンガムチェックが加わりました。「HANA」はブルーに白の、大人っぽくて清潔感のある花柄。メンズのシャツにしてもいい感じ。ベーシックなかたちが好きだけれど、新鮮な気分のシャツが欲しいという方にはぜひおすすめしたい1枚です。一方細かなギンガムチェックは何にでも合わせやすく活躍の幅が広いシャツ。どちらも製品洗いをしてカジュアルな雰囲気で、パンツの外に出して着ても自然な裾のラインが人気です。毎シーズン１、２つずつ増えて行くA.のシャツ。オックスフォードの水色、白に今回の2つが加わって少しにぎやかになりました。

　今シーズンもアイテム数に限りのあるA.ですが、どれも着心地がよく、毎日活躍してくれる服ばかり。ぜひお求めいただけたらと思います。ご紹介したA.の服は４月上旬から順次入荷の予定です。また、a.とA.の展示受注会は現在熊本のギャラリーmoeで開催中（3月14日まで）。続いて3月18日～23日は境港市の一月と六月、そして3月27日～30日が東京のイオギャラリー＆ショップを予定しており、実際にご覧いただくことができます。
　最後になりますが、2014年春夏のa.とA.の新作を紹介したカタログができました。『大人のおしゃれ9』をご注文いただいた方には同封していますが、カタログのみご入用の方は、こちらからご登録ください。