大きいのもすごい
掛井さんの作品はもちろん小さいものばかりではないし、彫刻だけでもありません。大橋は飛行機でご挨拶をする数年前に掛井さんの絵に出会い、圧倒されたといいます。それは掛井さんがパリにしばらく滞在したときの作品でブルゴーニュの森の樹々を描いたドローイングでした。大きな紙に墨でうわーっと描かれた大きな木の枝はぐにぐにとしていてまるで生き物のように見えたそうです。
「掛井さんはとてもセンスがよくて、人を感動させる描き方かなにかがからだに備わっているのだと思います。小さなものもいいけれど、大きな作品を大きなところで見るとすごーくいい」。そう話す大橋が「すごーくいい」顔をしていたので、掛井さんの作品が見られる場所に行ってみたくなりました。
「風の中」「田園交響楽」
向かったのは新宿にある東京都庁の都民広場。掛井さんのブロンズ像は、左右の手をぐんと伸ばして前をみすえるようにしてひとりしっかりと立っています。おっぱいがあるから女の人かな、と思ったけれど見ているうちにそれはどちらでもいいと思えてきました。タイトルは「風の中」。たぶん人間の等身大ぐらいの彫刻だけれど、とても大きく見えました。
この都庁だけでなく、掛井さんの作品は全国のパブリックスペースで見ることができます。また、10月7日からは東京銀座の
ギャラリー上田で個展が開催される予定です。アートとアクセサリー、掛井五郎さんの世界を楽しんでいただけたらと思います。
※次週は掛井さんのアトリエ兼自宅でみつけたすてきな贈り物の話をお届けします。