「ベジぼん」があるのは駒沢公園近くの住宅街。外から見ると“おしゃれなエントランスのおうち”といった印象の、小さなカフェレストランです。
　オーナーの井上さんがつくるのは、野菜や豆、玄米を使ったランチやお惣菜そしてホームメイドの素朴な焼き菓子。
「ベジタリアンだった母が家族につくってきた料理がもとになっています。私も若い頃はいろいろ食べていましたが、体調がいいのはずっと食べてきた食事だと気がついて。カフェをやりたくてメニューを考えた時も自分にとって無理のないものがいいな、と思ったんです」。
　一番人気は日替わりのおかず5〜7種類と酵素玄米ご飯を盛り合わせたベジぼんプレート。信頼している自然農法の農家から取り寄せる野菜を中心に、昔からある発酵調味料を使ってていねいに調理したお惣菜類はひとつひとつ深い味わい。お腹も気持ちも満足させてくれます。「満席の時はランチボックスにしてテイクアウトしています」とベジぼんファンの。一人で切り盛りしていて、週に４日の営業なので予約をおすすめします。

　パン屋さんやパティシエに憧れる小さな女の子が夢に描くとしたらこんなお店に違いない。「ベイカーズパントリー」のたたずまいを見るとそう思います。なにしろかわいくて、ちっちゃくて、主の気持ちが行き届いている感じ。そしておしゃれなお花屋さんの奥にあるなんて！ でも売っているパンはしっかり底力があるタイプ。侮れません。
　お店に並ぶパンは10〜12種類ほど。国産小麦と自家製天然酵母を使用し、基本的に卵やバターを使わずにつくっています。「時間が経つと固くなりますが、トースターで表面を焼いてカリッとさせると新たなおいしさに出会えてびっくり」と。パン教室をなさっていた店主の小澤さん。お店を開くなら自分がおいしいと思う天然酵母のパンだけで、と思っていたそう。
　製造も店番も一人なのでつくる量には限界があります。週4日の営業でご近所にファンが多いから夕方には少なくなってしまうそう。ご紹介するにはそこがちょっと気にかかります。でもお取り置きもしてもらえるそう。週末はサンドイッチも登場。ここでパンを買い、次にご紹介するファーマーズジューストーキョーで飲み物を用意して駒沢公園でピクニックというのもおすすめです。