気分があがるストール
竹崎万梨子さんには
『大人のおしゃれ7』(2013年春と夏号)でご登場いただいているので、ご記憶の方もいらっしゃるかと思います。その取材の後日大橋がお会いした時に、とても素敵なご自分でつくったストールをしていらした。それがきっかけでイオショップ&ギャラリーでストール展をしていただくことになりました。
今回展示するストールは35点ほど。“まとうことでいつもよりちょっと気分があがるものをつくろう”とは思うけれど、それ以外はテーマにとらわれず制約なしで、また自分の個性より素材の持ち味にみちびかれるようにつくれたのが楽しかった、と竹崎さん。左の写真はその一部です。
40代からの再スタート
竹崎さんの手織りの原風景は幼い頃、年の離れたお姉さんが家で織っていた光景。
「それが幸せなこと、素敵なことに見えたんでしょうね。料理も教えていてケーキを焼く日には、私も一切れ分け前をもらえて嬉しかった(笑)」。
でも、短大を卒業したあとテキスタイルスクールで織りを習ったものの、卒業しても織りはせず、就職。友だちと遊んだりおしゃれしたりすることに夢中だったし、30代の仕事中心の日々には織りのことは頭になかったそう。
あらためて織りにひかれ、工房に通いはじめたのは40代に入ってから。「仕事よりも織りの方が面白くなって、年齢的なこともあると思います」。
工房で技術を学び作品をつくるなかで最初は技術的なことを覚えるのに夢中だったのですが、だんだん技術よりも好きなものを自由に作りたいと言う気持ちになりました。たとえば「手紡ぎ、手織りは軽いのが素敵だけれど、昔のイギリスなど寒い国の防寒のための生地は重いのだけど強さがあってそれも好き」というように。