特集 竹崎万梨子さんのストール展
第2話 手つむぎ、手織りの道具は美しい
右の綛掛け(トンボ)に糸をかけ、左の座繰りの木枠に糸を移す、糸繰りという作業中です。
  • トンボをアップにしてみました。この銅線のたわみが糸に負担をかけない秘密。素朴でいていい仕事をします!
  • こちらは座繰りのアップです。手前に伸びる糸振り棒が左右に律儀に往復。木枠に均等に糸が巻かれるよう、調整しています。赤い糸はポロワスという羊毛。今回の展示会ではチェックのストールになって登場します。
  • 糸をつむぐ紡毛機です。足でペダルを踏んで大きなはずみ車を動かし、その動きがベルトで小さなボビン(糸巻き)に伝わって回転。糸がつむがれて行きます。竹崎さんが大好きな瞬間。
  • 織機を置いている部屋の壁に収納されているのは、かご、経糸を巻き付ける時に使う導き糸の束、そしてチャルカ。チャルカはカシミヤや綿など繊維の短いものをつむぐ時に使う紡績機です。下の棚は試験管やビーカーなど染色のための道具を集めたスペース。科学の実験コーナーのようです。
  • 壁にかかっていたかごは、福島県昭和村で買ったアケビの乱れ編み。とても軽いので、糸の重さを量る時に便利だそう。
  • 棚の上にある小さなふたつきのかごは、小管(こくだ)と呼ばれる糸巻きを収納するのにちょうどの大きさ。
  • 竹崎さんは導き糸を少し残したままでストールを仕上げることもあります。アクセントになっていて素敵です。
  • モンゴルの”空飛ぶ羊“という羊毛を織っている途中、ノティングという技法で絨毯のように毛足を長くしているところ。古い編み棒が活躍。コート代わりに羽織える厚手で頼りがいのあるストールに。58㎝×198㎝。
  • 残った毛糸を糸巻きに巻いて並べておくと、ちょっと刺繍をしたり靴下のつぎあてをしたりするのが楽しくなります。木の糸巻きは木工作家の方が端材を利用して制作。カエデ、ナラ、ブナなどいろいろな木があるそう。ガラスの蓋つきのケースはアンティークスタミゼで購入。
  • 目白の古道具屋さんで購入したガラスの容器に入っているのはこれまでに織った布の切れ端です。テーブルの下にそっと置いてあったのを引き出して撮影させてもらいました。
モンゴリアンメリノのイエローです。これは平織り。綾織りもあります。73㎝×196㎝。
  • 原毛を染めた状態です。このあとカードをかけ、糸につむぎます。
  • イエローのモンゴリアンメリノの糸。深みのある色です。
モンゴリアンメリノのナチュラルな白のストールです。71㎝×212㎝(房なし)。
  • 原毛からつむぎ、できたての糸。
  • 織り上がった状態。これから織った目を安定させるために洗って縮絨をかけます。写真は縮絨前、房を整えているところ。石が重しがわり。かわいい。
シェットランドウールのスプリンググリーンとナチュラルのチェックはさわやか。房の先に注目。導き糸を残して仕上げています。62㎝×217㎝。
  • 織機にかけた経糸。光を通してきれいだなと思う、そんな瞬間を積み重ねて1枚のストールが完成。
  • シェットランドウールの魅力はやさしくて強い弾力が生むふんわり感。
5色の糸で織ったチェックのストール。ブルー、グリーン、シルバー。寒色系で甘さはないけれど明るい色を選んでいるので顔映りもきれい。65㎝×197㎝。
とても細い糸なので経糸をかけるのも、織るのも時間がかかります。
ホワイトベビーカシミヤならではのとろみのある肌触り。
カシミヤの紡績糸を染めて織ったストール。102㎝×108㎝。4辺に短いフリンジが。
  • 紡績糸を染めているところです。カシミヤは発色が鮮やか。
 
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