「特集竹崎万梨子さんのストール展」、第3話は第2話に引き続き今回展示されるストールをご紹介します。竹崎さんにそれぞれの巻き方を教わり、知り合いたちが身につけて撮影をしてみました。
最初の1枚はモンゴリアンメリノのピンクです。竹崎さんはこの大判のストールを「カーディガン」と呼んでいますが最初にそう名付けたのは登場していただいたディレクターの六高寺菜穂さん。「オフィスでも家でもさっとはおるのにちょうどいいサイズ感と厚さ。暖かいだけでなく、やさしくきれいな色が気持ちを引き立ててくれます」ふわっと広げて背中から肩を包み込み、両端を肩からさげて腕に巻き込んだり、片方を肩のほうへもっていったり,着物のように前であわせたり。ボタンの開け閉めでカーディガンの着こなしが変わるように、ストールも少しずつ雰囲気が変わって楽しい!サイズは66㎝×196㎝。
茶と青の千鳥格子は「幅を半分ぐらいに折って首もとにくるくるっと巻いて、最後両端をきゅっと結ぶ。ストールというよりはマフラーですね。サイズは小さいけれど弾力のある糸なのでほどよいボリューム感があり、先がちょっと跳ねる感じがかわいいと思います。結び目は横でも後ろでも」と竹崎さん。寒色系なのに色あいが沈まないのはブルーがとても鮮やかだから。シェットランドのナチュラルな茶と絶妙のコンビ、ボーダーとあわせても大丈夫! 上のピンクもこの千鳥も房が短いのでカジュアル感があります。サイズは29㎝×170㎝。ネイビーと赤の千鳥格子もつくっています。
ベージュと黄色のストールはカシミヤの紡績糸を染めて織っています。とても細い糸なのでふんわり薄手。巻いた時のドレープがとても柔らかです。明るい色あいで顔映りもきれい。「スカーフのようにつかっていただけたらと思います。ワンピースやニットの上に巻いてコートを重ねてでかけ、コートを脱いでもつけたままで大丈夫。アクセサリー感覚で」。ほぼ正方形。写真は対角線で三角形に折り、2重に首に巻いて先端を小さく結びました。肌に近づけてもちくちくしません。黒い糸で織り込んだスペードは見せたり見せなかったり。101㎝×106㎝。スペードなしもあり。
このストールのことを話すとき、竹崎さんはいつもよりちょっと熱を帯びるように思います。“ウールの女王”と呼ばれるブルーフェイスレスターという原毛を使っているのですが、なかでもとてもよい原毛だったそう。「くるくるっとした元気な巻き毛で、なんともえいないなめらかな肌触りとふくらみのある布になりました。一頭ずつ違うから同じものはいつも二度と織れないんです。でもそれをとても強く思った一枚でした」。確かに身にまとうととてもやわらか。薄手なのにそっと張りがある。不思議な感じがします。経糸はナチュラルな白、緯糸はブルー。軽やかであわせやすい色あい。a.の今シーズンの襟なしワンピース、黒にも茶にも紺にも似合いました。「大判のストールをはおる時は肩が決めてですね。バスタオルにならないよう(笑)、はおった時に肩のところを必ず一度きゅっとしめる感じにするときれいです」。なるほど。大判ですが首もとに巻いても。「少しからだから離してふんわりと。きちんとまきすぎないで」。85㎝×230㎝。
- 第2話でもご紹介した大判の白のストールはモンゴリアンメリノ。白い色あいだけでなく、カードをかけずに糸をつむいでいるのもナチュラルなまま。「素材のなめらかさを感じてもらえたらと思い大きなストールにしました」と話す竹崎さんに、「くるまれると幸せな感じがする」と応えるのは織り仲間の蔵口理英さん。大判なので上の写真のブルーと同じように肩を意識するとともに「房をきれいに見せるのが着こなしのポイントですね。房は顔から離してすとんと落ちるように。左右の長さに差をつけないほうがすっきりして見えます」。71㎝×212㎝(房なし)。
最後にご紹介するのは、白黒の大きなギンガムチェック。大きくて厚みもあるので、寒い日でもコート代わりになります。「それでいて軽いのは手つむぎ手織りならでは。写真のように広げてふわっとはおってもいいし、さっくり半分に折って肩を包むようにしてもいいですね。モノトーンですが、大きなチェックなので華やかさもあります。ストールとしてはもちろんですが、インテリアの中においてもエッジがきいて好きですね」。リビングの椅子の上にある光景、車につんでピクニックに行ったときの光景。1枚のストールからイメージがふくらみます。モンゴリアンメリノ。105㎝×186㎝。
展示は5日(木)からスタートします。実際にストールを手に取っていただければ幸いです。ストールの価格は¥29,400(税込)~¥189,000(税込)を予定しています。毎日ではありませんが竹崎さんがいたらぜひ声をおかけ下さい。楽しい羊毛の話が聞けるかと思います。