コートが充実しています!
「秋冬の服が揃いました」とお知らせが届いたのは、まだ梅雨もあけない7月。これから暑さが本番という時期で、イオグラフィックの事務所までの道すがら汗がたらたら。でもハンガーに並んだ服を見て一気に気分があがりました。「このコート欲しい、色あいがやさしい、小物も新鮮!」と。
大橋もずっとつくりたかったコートがかたちになったので嬉しそうだし、ベーシックな黒と紺だけでなく茶系やグレーの服が充実。4回目の秋冬コレクションを迎え、a.は選択肢が広がっています。
なかでもイチオシのコートは4タイプ6色。2年ぶりにリバイバルの定番コートに加え、濃紺の「ベルト付きコート」とキャメルの「テーラードコート」が登場。「どちらもいい生地と出会えて実現できました。シルエットもオーソドックスでちゃんとしている。究極の定番というか、長く着ていただけると思います」。大橋の解説とともにご紹介していきます。
左:紳士物のサキソニーでつくった濃紺の
「ベルト付コート」。一重仕立てで春先まで着ていただけます。¥58,000+税
右:ウール100%、メルトンだけれどフリースのように軽い生地。キャメルの
「テーラードコート」。¥66,000+税
2年ぶりに復活したゆったりAライン、ペタンコ襟、くるみボタンの
「綿定番コート14」。¥43,200+税
綿定番コートと同じシルエット、テーラードコートと同じフリースライトメルトンの
「ウール定番コート14」。¥58,000+税
恒例スタッフ試着会・コートの巻
「「ベルト付きコート」はあまりマニッシュぽくないA型のシルエット。肩章がついたりとかそういうハード感がない、ごく平凡なかたちです。でも着物スタイルというか、紐を結ぶことでその人の体型や好みにあわせて、幅広い年齢の方に着ていただけると思います。もそもそしないしっかりしたサキソニーの生地に出会え、一重仕立てにしたのも軽やかでよかった。真冬はむずかしいかもしれませんが、春先まで着られると思います」(大橋)。20代から50代の、年齢も体つきもさまざまなイオグラフィックのスタッフが試着してみましたのでご覧下さい。原稿担当の私もそっと試着。「コートは高額だし毎年は買えない…」と思っていたのに心が動きます。
多田は身長164㎝で細身。Mサイズを着ています。ウェストでベルトをしっかりめに締めるのが似合いました。
荻原の身長は163㎝。Mサイズ着用。ラグランスリーブはなで肩にも似合います。襟をちょっと立て、ベルトはやや緩めに締めています。
高橋は身長153㎝です。Sサイズ着用。襟裏の隠しボタンをとめ、ステンカラーのように着ています。ベルトは締めず、すとんと着ることもできます。
テーラードコート、定番コート
「キャメルの「テーラードコート」もとてもオーソドックス。襟の形や仕立て、はぎの入れ方など本格的なメンズライクなつくりで、生地の風合いを生かしたきれいな縫製をしてもらえました。よかったです」(大橋)。
153㎝。Sサイズを着ています。「きちんとしているけれど、軽くて着やすい」と高橋。襟の大きさや生地のボリュームは、小柄な高橋にもほどよい感じ。
前ボタンをはずしてはおると軽快。逆に襟裏の隠しボタンをとめてステンカラーのようにして着るとあったか。
後ろ姿です。両サイドにとったダーツがすとんとしたシルエットをよりきれいに見せています。センターベンツで足さばきがラク。
こちらは「綿定番コート14」です。164㎝、Mサイズ。時々体重が落ちるのが悩みの多田ですが、このコートはどんな人もふんわり包んでくれます。
身長166㎝の近藤が着たのは、黒の「ウール定番コート14」。Mサイズ。もともと丈が短めのデザイン。裾からトボムがのぞいてもバランスはよさそう。
後ろ姿です。袖付けがゆったりしているので、中にバルーンパンツなどボリュームのある服、肩が落ちたデザインのワンピースなど着ても大丈夫。
切りっぱなしシリーズ登場
第1話の最後にご紹介したいのは「切りっぱなしコート」です。見ていただくとおわかりのように、襟ぐりや袖口など、生地の端が切りっぱなし、ミシンステッチでおさえてあるだけなのです。襟もボタンもないし、かたちもとてもフラット。すとんとしているので、生地をまとっているような気持ちになります。
大橋は「仕立て込まない服をつくってみたかった」と言います。「人それぞれに好きなように着こなしていただける服。でもそれだけに生地が大事と思ってずっと探していました。魅力があってほつれなくて、と。今回ようやっと出会えたので実現しました。今回は生地に助けられている服が多いんです」。ステッチが軽快さをプラス。コートだけでなく、ジャケット、そしてワンピースもつくることになりました。
撮影時、Sサイズのサンプルしか完成しておらず、小柄な高橋が代表して着てみました。前をずらしたり、袖口を折ったりしてみましたが、「前をぴったりめにあわせて着るのがいいみたい」とのこと。
コートとジャケットには安全ピンがひとつつきます。ピンを縦にしたり横にしたり、2個にしたり、それだけでも感じが変わります。ストールも似合います。そして第3話で登場予定の“あるもの”もとても似合うのです。お楽しみに!
生地を切りっぱなしで使った袖口やポケット。ステッチがきいています。ちなみに大橋は布のミミも、パンのはしっこも大好きです。