廣田さんのお話から
ここ数年、8月になると廣田さんのガラスのアクセサリー展をさせていただいています。アクセサリーは東京が梅雨入りするころから少しずつイオグラフィックに届き始めます。この特集担当はそれを先に見せていただきながら廣田さんにお話をうかがうのが、毎年楽しみです。新作への期待はもちろん、制作にまつわるお話がとても楽しいからです。
以前
アトリエを訪ねたときに見せていただいたのですが、アクセサリーのパーツのもとになるのは、工業用のガラス。長い棒や管状の固まりでした。それをバーナーで高温に熱し、つーっと溶けた一瞬をとらえて廣田さんはイメージをかたちにしていきます。
今回お話をうかがっていて「へぇー」と思ったのは、その一瞬をとらえるタイミングやからだの動きに、つまりはできあがるものに、そのときの空気や気温や湿気が大きく影響するというお話。「夏のアクセサリーは夏に向かっていく時期につくると気持ちにしっくりくるものができるように思う」と言うのです。
また「育った家の波板ガラスの窓」や「水に水滴が落ちたときにできる泡」が新しいアクセサリーのイメージになっているというお話もうかがいました。廣田さんは記憶の引き出しを大事にしていて、なんども開けて見て、ちゃんと生かしているのだと思います。ばたばた毎日を過ごしているとわからなくなってしまう季節や、薄れていく記憶をていねいに意識すること。それが廣田さんのオリジナリティにつながっていくのです。
水の泡、アザミ、種、そして窓
さて、最初にご紹介するクリアガラスのアクセサリーは毎回とても人気があります。透明なガラスは服の色を映しこんで光を放ちます。だからどんな服にもなじんで涼しげ。夏にほんとうに出番が多いのです。
ではぶなんかというとそんなことはありません。つけていると水や植物、自然のみずみずしさをまとっているような高揚感があります。
クリアガラスのアクセサリーには水滴、多肉植物、葉っぱなどのシリーズがあるのですが、今回新しく、泡(あわ)、アザミ、種、窓などが加わりました。クリアガラスの薄い膜に包まれた丸い泡や、古い波板ガラスのようなゆがみを見せるガラスには、なぞかけのような楽しさもあり、またひとつ欲しくなってしまいました。
「泡をはじめ露(つゆ)雫(しずく)などの水滴シリーズはぴったりくる天然素材でつなぎあわせたくて、とうとう昨年から糸紡ぎも始めた廣田さん。「これがけっこう楽しくて(笑)。今回は麻ひももオリジナルです」。ガラスとガラスをつなぐ素材とのコラボレーションも見どころのひとつです。

黄色のラリエット。紐の結び目の位置を変えてアレンジできます。透明感のある黄色が青いワンピースに映えてうれしい。白や黒にも似合いました!

黄色にほんの少し緑が入っているそう。四角は“窓”になっています。¥16,000
黄色が初登場
一方
昨年からイオショップに登場した色ガラスシリーズにはきれいな黄色と、色合わせが楽しいツートーンがお目見えです。黄色のアクセサリーはa.の夏の服ととてもよく似合い、手元や胸元をぱっと明るくしてくれます。
硬質のクリアガラスで土台をつくり、その上に絵の具を塗るように色をかさねていく廣田さんの色ガラスのアクセサリーは、エッジの効いたフォルムと、透明感が魅力。今回もどれもきりっとした大人のアイテムにしあがっています。リングやネックレスに加えピンバッジもあります。ぜひお試しいただければと思います!
※表示価格はすべて税抜きとなります。
※今回展示するアクセサリーは特集でご紹介したものを含め、全部で約100点。基本的にすべて1点ものです。会期は1ヶ月ございますが、これ!と思われたものがございましたら、お早めにおいで下さい。
※お時間をいただきますが、イヤリングをピアスに変更したり、ネックレスの長さを調整できるものもございます。詳しくはスタッフにお問い合わせください。